こんにちは、酒井宏平(博士:政策科学)と申します。
研究とは何か?をしっかり理解して、大学入試だったり、ゼミ選びに備えましょう!
そのためには、勉強とどう違うのかを知ることが大切です。
この記事では、現役大学教員の酒井がわかりやすく、徹底解説しています!
最後まで、読んで、研究を知りましょう!
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そもそも勉強とは?
中間テストや期末テストを思い出してください。
だいたい、3ステップに分けられます。
- 高校の先生が問題文を作る
- 高校生が回答する
- 高校の先生が採点する
事例
例えば、こんな感じです。
1604年、江戸に幕府を開いたのは?
う〜ん、それは、徳川家康です!
大正解!!
この3つのステップで、学生がするのは「回答する」だけです。
だから、勉強では「正解を回答する」ことに重点が置かれています。
研究とは?勉強と似てるけど違う
研究にも3つのステップがあります。
- 自分で問題文を作る。
- 自分で回答します。
- 自分で採点します。
勉強では、1と3の部分を先生がやってくれましたが、研究では、全部自分でやります。
もう少しアカデミックに説明します。
アカデミックに研究の3つのステップを紹介
- 自分で問題文を作る。
問題文のことを、リサーチクエスチョンと呼びます。 - 自分で回答します。
リサーチクエスチョンに対する仮の答えを、仮説と呼びます。 - 自分で採点します。
仮説の検証、仮説の実証と呼びます。
つまり、こういう3ステップになります。
- リサーチクエスチョンの設定
- 仮説の設定
- 仮説検証、仮説実証
この3つのステップを全部、自分でやることを研究と呼びます。
研究の3つのステップ例
最近、ニュースで、選挙に行く人が少ないというニュース見ません?
31日に投票が行われた衆議院選挙の最終投票率は55.93%で、前回・平成29年の選挙より2ポイント余り上回ったものの、戦後3番目に低い投票率となりました。
リサーチクエスチョンの設定
この投票率の低下というニュースを元に、リサーチクエスチョンを立ててみます。
例えば、「選挙へ行かない人は、なぜ選挙に行かないのだろう?」とか、逆に選挙に行ってる人もいますので、「選挙へ行く人は、なぜ選挙へ行くのだろう?」
こんな感じの疑問文にできるかと思います。これがリサーチクエスチョンです。
仮説の設定
疑問が準備できたら、仮の答えも用意しましょう。つまり仮説を設定します。
例えば、「責任感がある人は、選挙へ行くのではないか?」という仮説が立てられると思います。
他にも、「選挙当日に、用事がない人は選挙へ行くのではないか?」とか、「ニュース番組をよく見る人は、選挙へ行くのではないか?」とか、仮説は山ほど作れます。
仮説の検証・実証
例えば、選挙によく行く人と、選挙にあまり行かない人に対して、インタビューやアンケート調査をして、両者の間にどれくらいの責任感の違いがあるのかを調べることで、仮説が正しいかどうかを調べることができます。
調査によって、選挙によく行く人は、国民としての責任感が強い傾向があり、選挙にあまり行かない人は責任感が低い傾向があれば、「責任感がある人は、選挙へ行くのではないか?」という仮説を証明したことになり、仮説から説になります。
しかし、この部分は、この記事内で簡単には説明できませんので、詳しくは大学の統計学や定性調査の手法で学んでください。
先行研究も重要
今回は説明しませんでしたが、先行研究も非常に重要です。先行研究とは、すでに発表されている論文です。
リサーチクエスチョンや仮説は、先行研究を踏まえて設定する必要があります。
先行研究を踏まえることで、自分の研究の新しさを主張でき、新発見につながるからです。
まとめ
この記事では、勉強と研究の違い、研究とはどんなものなのかを解説しました。
どちらも、3つのステップがありました。
勉強は、回答だけする。そのために答を覚えたり、解けるようになることが重要でした。
一方で、研究は、3つのステップ全てを自分でやります。
似てるようで、違う部分があることがわかったでしょうか?
最後まで読んでいただきありがとうございました。
リサーチクエスチョンについては、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ読んでね!